世界4大宝石

雑学

世界4大宝石とは、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドのこと。この4つの宝石は一般的に、希少性や価値の高さから、世界4大宝石と呼ばれています。

また、それぞれの宝石は誕生石にも制定されているほどメジャーな宝石です。

「ダイヤモンド」

4月の誕生石ダイヤモンドは、ギリシャ語の「征服されざるもの」を意味する「アダマス(adamas)」に由来しています。

「美しさ」「耐久性」「希少性」はトップクラス!「宝石の王者」として知られています。

またダイヤモンドの硬度は10と宝石の中で最も硬く、単一の元素「炭素」から構成された唯一の宝石です。

昔は、ダイヤモンドを「神々の涙」や「流れ星のかけら」だと信じられており、魔法の力をもたらすお守りとして考えられていた時代もあったのだそう。

古代では原石の形を生かしたジュエリーで使用され、14世紀半ばにダイヤモンドを使って研磨する技術が開発されました。16世紀初めにローズカットが誕生。1910年にラウンドブリリアントカットが実現し、ダイヤモンドの美しさの最大の特徴でもある、光の分散から生まれる虹色のようなファイアが作り出されました。

「宝石の王様」の異名を持つダイヤモンドは、世界四大宝石のなかで知名度・人気ともにナンバーワンの宝石です。

その魅力は、何と言っても無色透明のボディーから放たれた透き通るような輝き。非常に硬い性質で「絶対割れずに輝き続ける」ことから、古来よりダイヤモンドは永遠の愛の象徴とされてきました。そのため、多くの婚約指輪でダイヤモンドが採用されているのです。

ダイヤモンドの価値は「カラット(Carat)」「カラー(Color)」「カット(Cut)」「クラリティ(Clarity)」4つの項目から判断されます。この評価基準は「4C」と呼ばれるダイヤモンド独自のもので、世界共通の基準です。重い(大きい)・無色透明・不純物や傷が少ない・高度な研磨技術4つの条件をクリアしたものだけが、最高グレードのダイヤモンドと見なされます。

世界最大のダイヤモンドは、1905年に南アフリカのカリナン鉱山で発見された3106.75カラットの「カリナン」。

9つに大きくカットされたものは英国王室が保有しており、現在の価値だと約2,600億円にもなる言われています。

「ルビー」

7月の誕生石ルビーは、ラテン語で「赤」を意味する「ルベル(ruber)」という言葉がその名の由来。

「宝石の女王」とも称されています。

「情熱」「愛」「ロマンス」を連想させ、真紅の宝石に隠れたパワーが秘められていると信じられており、古くから好まれていました。

ルビーはコランダムという鉱物で、「サファイア」と同じ鉱物です。ダイヤモンドの次に硬い宝石ですが、実はルビーはダイヤモンドよりも希少性があります。

真っ赤な輝きを放つルビーは、「宝石の女王」と呼ばれる希少価値の高い宝石です。

モース硬度は9で、ダイヤモンドの次に硬いと言われています(ダイヤモンドのモース硬度は10)。ルビーは元々無色透明な「コランダム」という鉱石ですが、地中で「酸化クロム」という金属元素と結び付くことで赤く発色します。しかし、酸化クロムを含む鉱山は非常に少なく、ルビーの採掘は限られた地域のみでしか叶いません。そのため、ルビーは非常に貴重な宝石として扱われているのです。

ルビーの価値は、不純物や傷の有無・色・輝きの3点で判断します。なかでも一番重要なのは色味です。ルビーは、色が濃く鮮やかなものほど価値が高くなります。また、一見どれも同じ赤色に見えるルビーですが、産地や酸化クロムの含有量によって「ピジョンブラッド」「ビ―フブラッド」「チェリーピンク」3つの種類に分けられています。

そのなかで最も高価なのがミャンマー産の「ピジョンブラッド」です。ピジョンブラッドは酸化クロムの含有量が1%のときに生成される希少なルビーで、ダイヤモンドよりも高値で取引きされることもあります。

「サファイア」

9月の誕生石サファイアは、ラテン語で「青」を意味する「サフィルス(sapphirus)」という言葉に由来しています。空の色を想起させることから「天の宝石」や「空の宝石」と呼ばれています。

「ルビー」と同じコランダムという鉱物で、ダイヤモンドの次に硬い宝石です。

サファイアは通常、ブルーサファイアのみを指します。ブルー以外の色のサファイアは、サファイアの頭に色の名前がつきます。

「気品」「誠実」「忠誠心」を象徴するサファイアは、婚約指輪や結婚指輪としても人気。1981年、英国のチャールズ皇太子がダイアナ妃にロイヤル・ブルーサファイアの婚約指輪を贈りプロポーズしたことが有名です。また、幸せを願う「サムシングブルー」の言い伝えから、青いアイテムとして取り入れるのにサファイアはピッタリです。

サファイアは元々ルビーと同じコランダムという鉱石からできており、地中で鉄と結び付くことで青く発色します。ただし、コランダムが青く発色するのは鉄の含有量が1%未満の場合に限られ、鉄や不純物の含有量次第ではピンク・オレンジ・黄色・緑・紫など、さまざまな色に変化します。

サファイアと言えば青色を想像する方が多いと思いますが、宝石学専門書「GEMS」では、赤く発色したコランダム以外を全てサファイアと位置づけ、またそれらをファンシーサファイアと呼んでいるのです(黒と無色透明は除く)。

サファイアの価値もルビー同様、不純物や傷の有無・色・輝き3点で判断され、色味が濃いものほど高額になります。なかでもカシミール産の「コーンフラワーブルー」は、少し白みがかった優しい色合いが評価され、高額で取引きされている希少価値の高いサファイアです。また、ミャンマー産の「ロイヤルブルー」は、深く鮮やかな色合いでイギリス王室御用達のサファイアとして知られています。

「エメラルド」

5月の誕生石エメラルドは、古代ギリシャ語で、「緑の宝石」を意味する「スマラグドス(Smaragdus)」という言葉に由来しています。

エメラルドの深い「緑の火」は、「永遠の春」と「不死の象徴」として大切にされてきました。

エメラルドは、ベリルという鉱物で、ベリル族の中でも最も有名な宝石です。

クレオパトラが最も愛した宝石としても知られ、自らの名前をつけたクレオパトラ鉱山というエメラルド鉱山を持つほどです。また、クレオパトラはエメラルドを身に着けるだけではなく、砕いて粉にしてメイク用のパウダーとして化粧をしたという記述もあります。

総生産量50〜60%を占めるコロンビアでは、エメラルドの産出量が近年減ってきており、希少価値がさらに上がる傾向です。

古代エジプト女王のクレオパトラが愛した石として知られるエメラルドは、別名「愛の石」とも呼ばれる神秘的な宝石です。

エメラルドは元々「ベリル」という無色透明の鉱物からできており、地中で酸化クロムと結び付くことによって緑に発色します。エメラルドのモース硬度は7.5〜8で、壊れやすいわけではないものの世界四大宝石のなかでは取り扱いに注意が必要な宝石です。

エメラルドの価値は、大きさ・色・輝き・内包物の4点から判断します。単純に大きければよいということではなく、深い緑でなおかつ内包物の少ない輝きの強いものが、高品質のエメラルドと見なされるのです。なかでも緑色が濃く、また透き通るような輝きを持つ「ブルーイッシュグリーン」は、最高品質のエメラルドと言われています。

予備知識編

希少石とは、四大宝石よりも希少価値が高く、高価な宝石のことで、「パライバトルマリン」「パパラチアサファイア」「アレキサンドライト」です。希少石は、美しさはもちろんのことですが、耐久性も兼ねそろえています。しかし、生産性が非常に少なく、店頭に並ぶことはほとんどありません。そのため、生で見たことがある人は少ないでしょう。

パライバトルマリン
パパラチアサファイア
アレキサンドライト

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